【 Life of props 】 * 【 props 】 とは
【 陶芸工房 弁華別 ほたる窯 】 で制作している製品ブランドです。
04/11
2025
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04/19
2015
焼成実験において、形成物をただ窯に放り込んで焼成すると
それはすべて酸化焼成となる。
窯そのものが密閉されていないため
庫内で焼成のため消費された空気が外部から侵入し
ガス台のグリルで魚を焼いているのと同じ状態になるw
完全燃焼状態=酸化焼成。
通常はこの酸化焼成で用が足りるのだが
あえて酸欠状態の還元焼成にすることで新たな利点も産まれる。
不完全燃焼状態=還元焼成。
例えば、胎土が磁器であれば、より白さが際立ったり
辰砂という釉薬などは、赤くなることが知られているが
還元焼成でなければ赤くはならない。
備前焼の焼き締め・桟きりなども還元焼成で行う。
さて、銅管を錆びさせ、発生した緑青で作った釉薬は
この辰砂と同様、還元でなければ赤くならない。
ここで、還元焼成をもたらすものが「さや鉢」だ。
さや鉢は骨壺のようなもので、簡易的に密閉できる。
この中に作品を詰め、蓋をして焼成するだけで還元焼成となる。
あくまで簡易的なものであり完全密閉ではないので
さや鉢の中の圧力は高くならない。
時には、作品と共に備長炭などを入れ、さや鉢内部の一酸化炭素濃度を高めることもある。
ガス釜や灯油窯であれば意図的に不完全燃焼状態を作ることも可能で
一時的な還元焼成を行うこともできるが
電気窯や穴窯などではコントロールが難しいので
さや鉢を使用することで補うことができる。
また、電気窯の場合、電熱線が傷みやすくなるために使えない
塩釉などのアルカリ性釉薬も多少は使えるようになる。
とはいえ、小型の電気窯では炉内の面積が狭く
市販のさや鉢にはぴったりとフイットするものがない。
なので今日は、さや鉢を自作してみたw
本来はアルミナセメントという耐熱(1600℃)セメントを使うのだが
まだセメントが届かないので
余っていた信楽粘土で簡易的に作ってみたw
ものが粘土だけあって長持ちはしないだろうけれど
できるだけ回数多く使いたいと思ったので
普段の作陶よりも真面目に取り組んだwww
仕上げに、さや鉢の内側の底にアルミナの粉末を叩きつけておいた。
これで、釉薬が流れ落ちてもくっつくことがなくなる。
今の段階では炉内にぴったりなサイズだが
乾燥と焼成で僅かに縮むことを考えれば
丁度いいサイズになったと思う。
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